連続講座『子どもの貧困から15年 こども家庭庁に求めるもの』が本になりました。
『貧困・孤立からコモンズへ』(青砥恭+さいたまユースサポートネット編)
「子どもの貧困、15年、こども家庭庁に求めるもの」をテーマに、2023年の秋から2024年の春にかけて、11人の研究者、実践者に参加していただいたさいたまユースの連続講座が本になりました。『貧困・孤立からコモンズへ』(太郎次郎社エディタス)が出版されました。
2000年代初頭に、貧困と格差は日本社会の深刻な社会課題であることが明らかになりました。その後、いくつかの政策、制度もできましたが、解決への道筋がどこまで進んだのか、ゴールはなかなか見えてきません。それどころか、解決のために力を尽くさねばならないはずの政治状況はさらに混迷の中にあるようにも見えます。
子どもの世界では、いじめや長欠(不登校)、自死が急激に増加しています。学校、教育委員会、文科省なども解決に向かって努力をしているようですが、全く減る様子が見えません。実は背景に学校など日本の教育制度の行き詰まり(背景に競争と管理)があり、さらに「貧困と格差」も大きな影響を与えているとしたら、解決の緒につかないのも納得できる気がします。では、これからどうすればいいのでしょうか。
この本を企画するにあたり、福祉政治、若者政策、労働政策、社会政策、学校教育、児童精神科医療などを専門とする研究者の方々、長年、地域で居場所をつくり、地域で子どもや親たちをつなぐ活動をされている実践者に報告をお願いし、毎回、私と対談も行いました。
私たちの団体は、2011年に活動を始めて以来、子ども・若者の居場所づくり、学び直し、就労など、困難を抱えた子どもや若者たちを社会とつなぐ活動をしてきましたが、最近では、地域のネットワークづくりから持続性を持つものに進化させ、地域住民を主体とした「ローカル・コモンズ」形成をミッションに活動しています。
私たちの取り組みは、まだまだスタートしたばかりです。この本は「私たちの行き方」を皆様がどう考えられるか、その論理と活動プロセスも見ていただき、ともに議論の輪に入っていただきたいと思います。
民間団体でも貧困と格差への向き合い方は様々です。私たち認定NPO法人さいたまユースサポートネットは、政治も国民の意識も不安定な中で、地域の人々を主体とした「ローカル・コモンズ」という地域の創造を目指します。
この本を読んでいただき、皆様の知見やご意見をお聞かせいただきたいと思います。
2024年11月
『貧困・孤立からコモンズへ』編者代表
認定NPO法人さいたまユースサポートネット 青砥 恭
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